インフルエンザや風邪が流行する季節。予防には、病気に打ち勝つための免疫力を高めることが大切です。免疫力といっても、難しく考えなくても大丈夫! 日々の暮らしの中のちょっとしたことで、免疫力を高めることができるんです。

医師の石原新菜先生、管理栄養士の牧野直子先生、鍼灸あん摩マッサージ指圧師の柳本真弓先生の3人に、免疫力アップのコツを教えてもらいました。

 

免疫力を高めれば、インフルエンザや風邪にかかりにくい体に!

 

「血液に含まれる白血球には、体に侵入したウイルスやバイ菌などをやっつける働きがあります。この白血球の病気を退治する力が免疫力です」と石原先生。つまり、免疫力が下がると、病気にかかりやすくなってしまうのです。

「まず、体が冷えて血行が悪くなると、運ばれる白血球の数が減るので、冷えを防ぐこと。また、体の免疫細胞の7割は腸にあるので、腸内を健康にすることも大切です。さらに、のどや鼻の粘膜を鍛えたり、自律神経を整えたり、バランスのいい食事をとることも欠かせません」

具体的にどんなことをすればいいのか、3人の先生に教えてもらいました。

●「指先をもんで」冷えを解消!

指先 © ESSE-online 指先 冷えを解消するツボもみを習慣にしましょう!体が冷えて血の巡りが悪くなると、免疫力も下がってしまいます。あいた時間に手軽にできる冷え解消法が、手のツボ押しです。

「手や指には頭や精神のツボが多く、もむと血流がよくなってリラックスでき、寝つきもスムーズ。指先の“十宣(じゅっせん)”、指と指の間の“八邪(はちじゃ)”、爪の周り、指の側面をもみましょう」(柳本先生)

●「キムチや漬物を食べて」腸内環境を整える

キムチ © ESSE-online キムチ 免疫細胞が集まる腸の環境を正常にしておくことが、免疫力アップの近道! 腸内環境を整えるためには、腸内の善玉菌を増やす発酵食品を食べることがポイントです。

「発酵食品のなかでも、キムチや漬物は、とくに乳酸菌が豊富な食品。手軽に乳酸菌を補えるので、食べない手はありません。冷蔵庫に常備して毎日続けて食べましょう」(牧野先生)

●「ニンジンを食べて」のどや鼻の粘膜を強化!

ニンジン © ESSE-online ニンジン のどや鼻の粘膜にはウイルスを捕まえて追い出す働きがあります。粘膜の強化にオススメなのがニンジンです。

「ニンジンに多く含まれるβ-カロテンは体内でビタミンAに変化します。そのビタミンAには粘膜の免疫力を高める効果がいっぱい! 毎日の食事に積極的に取り入れましょう」(石原先生)

●「笑って」自律神経のバランスを整える

笑い © ESSE-online 笑い 笑いには、自律神経を整える効果があります。

「笑うと緊張がほぐれてリラックスモードに。がん細胞を殺すNK細胞も活発になります。大声で笑わなくても、口角を上げて笑顔をつくるだけでもOK」(石原先生)

●「鍋を食べて」バランスのいい食事を!

鍋 © ESSE-online 免疫力アップには、体をつくるタンパク質や、ウイルスを撃退するビタミンC、粘膜を強くするβ-カロテンなどが効果的。

「鍋なら肉や魚、野菜などでこれらの栄養素がたっぷりとれます。ネギなど温め食材を加えればさらにいいですよ」(牧野先生)

ESSE2019年2月号では、生活習慣や食べ物、ツボなど、免疫力がアップする30のアイデアを紹介しています。どれも手軽にできることばかり。今すぐ取り入れて、インフルエンザや風邪を撃退しましょう!

●教えてくれた人 【石原新菜先生】 石原クリニック副院長。クリニックでの診察のほか、わかりやすい医学解説で、テレビ、ラジオ、執筆など幅広く活躍。『ゆる健康大全』(辰巳出版刊)など著書多数

【牧野直子先生】 管理栄養士・料理研究家。「スタジオ食」代表。テレビや雑誌などで、体に優しく簡単でおいしいレシピや、健康になるための食生活についての情報を提案している

【柳本真弓先生】 目白鍼灸院院長。鍼灸あん摩マッサージ指圧師。ツボ押しやお灸のアドバイスが人気。『心が弱ったときのツボストレッチ。 』(マガジンハウス刊)ほか著書多数

<撮影/山田耕司 イラスト/ナカオテッペイ 取材・文/ESSE編集部>