経絡ストレッチで不調改善を

経絡とは人の体の中に存在するエネルギー(東洋医学ではそれを気血という)が通る道である。経絡ストレッチとは、名前の通り経絡をストレッチすることにより、人の体の中に存在する「気血の流れ」を改善させることを目的に行います。筋肉を伸ばす一般的なストレッチとは、異なる要素があります。

痛みやつっぱりなど異常を引き起こしている経絡を見つけ、その部分をストレッチし、動きの改善を目指します。つまり経絡ストレッチでは痛い部位などその局所だけをみるのでなく、それに関連している遠隔的な部位もストレッチして気の流れをよくし、局所の痛みなどを和らげるのです。経絡ストレッチのよいところは、治療すべき部位を容易に迅速に正確に判断でき、治療効果も容易に判定できること。やり方や仕組みさえ覚えれば一般の方でも簡単にできます。

同じ症状でもストレッチの仕方は変わる

同じ症状でも、体の前面(陽明)、側面(少陽)、後面(太陽)のどれに該当するかによって、ストレッチの仕方は変わります。

例えば肩こりの場合ですと、陽明タイプなら気をつけの姿勢から腕を後ろに気持ちいい程度に反らせ、さらに手首を小指側に曲げ、顔は上向きにして首の前面を伸ばす。

少陽タイプなら、つっぱる側の腕を反対側の腰に回し、回したその手を反対側の手で持ち、そのまま首をつっぱる側に伸びるように傾け体の側面を伸ばす。

そして太陽タイプは、肘を伸ばした「前へならえ」の姿勢から、腕を上に上げる。さらに手首を親指側に曲げたり、体を前屈したりします。またふくらはぎやアキレス腱を伸ばすのもよいでしょう。

いずれも気持ちよく感じる程度を目安にし、息を吐きながらストレッチし、息を吐き終えたら元の姿勢に戻します。

経絡ストレッチは、局所の肩の周りだけでなく、体幹の側面や足の側面などをストレッチすることにより、気の流れをよくし、肩の症状を和らげようという考え方なのです。