骨粗鬆症予防にウエイトトレーニングは効果アリ
歳をとると、筋力が低下していきます。筋力の低下は青年期を過ぎたころから始まると言われていますから、運動習慣がほとんどない人であれば、50代になるとその影響が日常生活のさまざまな場面に表れ始めます。
【イラストを見る】僧帽筋を鍛える「シーテッド・ロウイング」のやり方は?
さらに、もともと筋肉量が少ない女性は、男性よりも筋力低下によるさまざまな症状が出やすい傾向にあります。
内閣府の令和4年版「高齢社会白書」で「介護が必要となった主な原因」を見てみると、女性は「骨折・転倒」が2位で16.5%を占めます。この割合は男性の3倍近くに及び、筋力差や骨の脆もろさの差がこの結果に影響していると見てよいでしょう。
健康的な生活を送る努力をしてきた私にとって、これは完全に想定外の状況。悲観的な考えしか持てなくなり、仕事以外は家に引きこもろうかと悩んだほどです。
しかしながら、ただでさえ生活リズムを崩しやすいこの時期に、身体を鍛えるという習慣まで怠ってしまえば、むしろ症状の悪化や新たな生活習慣病を招く原因にもなります。
トレーニングを止めていい方向に転がることはないことはわかっていたので、トレーニングルーチンは絶対に変えてはいけないと、自分に言い聞かせました。
ジムでトレーニングをしていると、鏡に映ったトレーニングを頑張っている自分の姿と向き合うことになります。こんな時期でもトレーニングは気分を高揚させ、家での悲観的な自分とは別人の、ポジティブでかっこいい人間に見えてくるのです。「自分の努力で、筋肉を進化させ続けている!」と、自分を肯定できる状況もつくることができました。
ウエイトトレーニングをすると、身体の見た目や筋力レベルの向上を実感できます。老化を感じ、気弱になりがちなこの時期に、身体を「進化」させているという実感を持てることは、つらい更年期障害を乗り越える手助けになることでしょう。
筋力は年齢を確実にカバーします。その筋力を維持向上させられる最も効率のよい方法がウエイトトレーニングです。そのメリットは、「筋力が高まる」「見た目が若くなる」にとどまらず、ネガティブな感情をポジティブな感情に変える効果もあるのです。
大事なのはやりすぎないこと
身体に重だるさを感じるのには、さまざまな原因があります。たとえば身体を使いすぎている状況であれば、全体的な運動量を減らす必要も出てきます。
また、重だるさに加えて胸や背中や奥歯などに圧迫されるような違和感が出る場合などについては、まず医師に相談して、検査で異常がないかを調べる必要があります。
ここでお伝えしたいのは、検査をしてもとくに病気の所見はなく、これといった原因が見つからない、いわゆる“不定愁訴”と呼ばれる重だるさの場合です。
若いときなら、一日休んでのんびり過ごせば治ってしまったはずの重だるさ。更年期になると、一日ゴロゴロ横になっていても改善されないことがありますよね。
僧帽筋は上部・中部・下部に分けられます。一般的に知られている僧帽筋は上部(肩に分類)です。
対して、鍛えづらく弱くなりやすい下部の筋肉は、姿勢を正したり、肩の動きを正常に保ったりするのに役立ちます。
この種目では、肩甲骨を下方に寄せるように引き、下部にもしっかり刺激が入るようにトレーニングしましょう。
<引くとき>
肩甲骨を背中の中央下側に寄せるのが目標。前にパッドがある場合は、みぞおちをパッドに押し付けながら、肩をうしろに向けるイメージで肘を引く。
<戻すとき>
肩甲骨が開くのを意識しながら戻す。
憂鬱になりがちな更年期も、トレーニングを通じてポジティブに乗り切りましょう。
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